No.177 本気で取り組むひとたち

半世紀以上生きてきて、様々な人に出会った。
曲がりなりにも経営者という立場に身を置き、先駆者から様々な事を学び、それらを実践しようという意思はあるものの、学びの後にいるのはいつでも怠け者の己。かくして劣等感に苛まれる日々なのである(汗)。

先日、石坂産業という会社に見学に行ってきた。ここは簡単に言うと産業廃棄物の中間処理場である。悪意を持つ方は『ゴミ捨て場』と呼ぶ。この業種に大革命を起こしたのが石坂産業二代目社長の石坂典子氏である。
石坂産業は、近隣からは“出ていけ!”と言われ、職員の待機所にはヌードポスターが貼られエロ本が山積み。そんな職場を徐々に改善し、現在では国際規格ISOを6種も取得し、社の裏の不法投棄の温床だった里山を再生し、日本政府や海外からの視察団が訪れるほどの未来企業に変貌を遂げた。
同社の説明は省略せざるを得ないので、二代目社長の奮闘記『絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!』を読むことをお勧めする。

同社の工場を見学し、大きなショックを受けたことがある。
焼却処分を止め、様々な機械を開発し徹底的に分別し、95%リサイクルする。残念ながら分別できなかったものを一日ダンプ二杯分だけ最終処分の埋め立てにまわす。その5%に含まれるものが我々の取り扱う窯業系サイディングなのである。

「このように、努力しても分別できない廃棄物に関しては、製造メーカーに対し、将来的に再資源化できる形で生産するよう働きかけを行っております」。入社二年目の広報担当Sさんが話す。

『本気で取り組むひとたち』にまた会ってしまった。
さて我々は劣等感に苛まれてばかりで良いのだろうかね?

ガイズカンパニー株式会社 代表取締役 仲本 純

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