昔、私が小学生の頃、「アキラ」というアメリカ人の男の子の同級生がいた。
髪は金髪、目はブルー。見るからに「外国人」であった。しかしアキラは日本で生まれ育ち、日本語も堪能、日本の文化にもなじんでいたので、子供心に何の違和感もなく一緒に遊んでいたのを覚えている。しかし、私が小学生の頃であるから今から30年以上前である。30年前の日本で「外国人」として日本で生活をしていくことがどれだけ大変であったか。ご両親の苦労を想像するとぞっとする。
そして現在、2018年の日本。国際結婚も珍しいことではなくなり、学校でも、1クラスに一人は必ずと言っていいほど「外国人」の子供、もしくは日本人とのハーフの子供がいる。それだけ「外国人」が日本に増え、外国人がいるのが当たり前になったのである。
各業界をみても、「外国人労働者」の流入がすすんでいる。それは日本の少子高齢化を手助けしてくれてる事でも有ると考える
では、各業界への外国人の流入で恩恵を受けているのは誰だろう?素直でやる気に満ち溢れた「外国人」という労働力を得た会社だろうか?それとも憧れの日本で暮らし、故郷の家族に仕送りができる「外国人」だろうか?それとも納税者が増え、税収入があがった「日本国」であろうか。
現実は、「外国人」であるが故に常に神経をとがらせ、不正はないか、間違いはないかと日々確認し神経をすりへらしている会社と、毎年ビザを更新できるか不安を抱え、日本の物価高に驚き思ったほどの仕送りができない「外国人」と、税収入が増えないと嘆く日本国ではないだろうか。
そこにはまだまだ「心」の問題があるのだろう。例えば、現場に「外国人」がいるとする。それを見た日本人はどう感じるだろう?「あ!外国人だ!良かった!ラッキー」だろうか?「わ…外国人だ。大丈夫かな?心配」明らかに後者ではないだろうか。これだけ外国人が増えてきたとはいえまだまだ外国人労働者への偏見は強い。
法務省調べでは 中長期在留者数205万人 特別永住者数33万人 計239万人と有りますが、不法就労者及び不法滞在者を含めると倍以上の滞在者が居ると思われます。
これからも外国人労働者は増えていくだろう。お互いに「心」を変える必要がある。外国人である前に同じ人間である。縁あって遠い外国から日本という国にやってきて日本になじもうと一生懸命に取り組んでいる一人の人間である。そこを尊重し認め、自由にまた、おおらかに受け入れる懐の深さと土壌が必要である。また、外国人側も「郷に入れば郷に従え」である。ここは日本。文化の違い、感じ方の違いがあるのは当たり前。どちらが良い、悪いではなく違いを受け入れ対応していく謙虚さ、人間的深みが必要である。そして国としても、良い人材は寛大に受け入れるビザの仕組みづくり、当たり前に納税できる仕組み、外国人でも暮らしやすい日本を作っていかなければこれからの日本のこれ以上の発展は難しいと思われる。
(株)ライフサポート神奈川 小野瀬智子